線維筋痛症の鍼灸治療

 線維筋痛症は原因が分からないために、痛みの分類でいえば、慢性的な痛みであり、全身の痛みになってくるが、原因がはっきりと分からないために、治療方法がないと考えられている疾患でもあります。

 線維筋痛症は発症年齢は40歳前後となっていきますが、それ以外の年齢でも生じる場合があります。通常は痛みを止めるために、薬剤での治療が行われていますが、継続的に行う軽い負荷で行う運動は線維筋痛症に対して、鎮痛効果が得られるということで、各種治療ガイドラインでは強い推奨になっているようですが、痛みがあって動かせないために、負荷の設定、動作など含めて考えないといけないので、専門病院からの紹介で運動リハビリを受けれるところを確認するのも一つだと思います。

 鍼灸治療においては、いろいろなやり方があるので、このやり方であればよくなるというのを断定するのは難しいですが、線維筋痛症に対しては鍼通電療法が効果があるとされています。

線維筋痛症患者に対する鍼灸治療の臨床試験

 こちらの論文では線維筋痛症に対して、東洋医学的な施術である弁証配穴と線維筋痛症に対して効果があるとされている鍼通電療法を比較していますが、鍼通電療法の方が痛みに関しては効果があったという論文になっています。東洋医学的な施術も完全にダメという訳ではなく、様々な愁訴の改善には役立っていたようですが、「痛み」の改善には今一つだったという記載です。

線維筋痛症候群 に対する鍼灸治療の効果

 こちらでは、実際の4症例に対して、鍼通電療法を行ってみたという論文なのですが、鍼灸の論文の場合は、研究している人が少ないので、症状が同じだと、書いている人も同じ人になることが多いです。

 こちらの治療でも鍼通電療法は痛みの改善に効果があるとなっています。

 論文だと他には、

少数配穴の鍼治療で著効を得た線維筋痛症の一例

がありますが、こちらは内容を見ると北辰会方式のやり方で、効果があったと書かれています。

 民間療法などの補完代替療法に関する情報は厚生労働省のeJIMというサイトで紹介していますが、「線維筋痛症と鍼灸」に関しては、おそらく最初に紹介した論文を書かれている方達の研究がもとになり、結論として「線維筋痛症に対する鍼治療は長期的な効果がみられる」という表記があります。

筋骨格系および結合組織の疾患

 それ以外の東洋医学的な治療だと効果があるのかについては情報公開をしていない状態なので、どれぐらいの効果があるのかは分かりません。論文として形にするのは非常に大変なので、やはり大学や病院と関係して行いやすい現代医学的な治療(鍼通電療法)の情報が多くなっていますね。

 痛みの改善はできるというのは論文で分かってはいるので、多くの方が利用して、治療に当たっていくのがいいのではないでしょうか。そうなると、業界として効くらしいという情報が全体に広がっていくのではないでしょうか。