ナプキンを被って食べる?『ポトフ美食家と料理人』

ひたすら料理の映画なのですが、一瞬、何が起きたと思ったのがこちらのシーン。

さて、何をしているでしょうか?
一人一人に鳥肉が渡され、みんな心待ちにして食べるときにナプキンを被って食べ始めます。これがフランス料理の流儀?
鳥肉で骨もあるから、食べ方が汚く見えるから?それなら、魚も他の肉料理もだろうと疑問に思いました。
これは「オルトラン」という伝統的な料理の食べ方のようです。香りを逃がさない、汚く食べるのを隠すなどの意味もあるようで、やはりフランス料理の中でも特殊なもののようですね。映像で見ていたら、まるで小鳥が親鳥から餌をもらうかのような表情をして心待ちにして、渡されたらナプキンを被って喜んで食べているので、よほどおいしいのもあるのでしょうね。
この映画はたまたま見たのですが、最初の数十分がひたすら料理を作っていくシーンで、その映像、色、音の綺麗さに驚きました。

施術もそうですが、目的とした状態に一つ一つ近づけていくという点では非常に料理に似たところがあり、出来上がったものだけみたら簡単そうでも実は複雑な行程、多くの時間がかかることもあります。例えば、こちらも見た目はシンプルですが、映像で出来上がっていく過程をみたら、すごく手間がかかっています。

映画としてのストーリーは王道の内容なので、展開が何となくわかったりすることがありますが、映像、料理の音の綺麗さが圧巻です。そして、全部おいしそうで食べてみたい。

個人的にはバターなどの油も多く使うので、食べ疲れしそうですが、上にあるデザートを作る過程は「何ができるのだろうな?」と思いながら見ていて、「ええっ、そうなるの?」と思いながら見ていました。
若くて才能があって、驚くというのも、どの業界にも出てくるので、いろいろと感慨深いものがありましたね。そして、見終わった後に何がしたいと思うのは、やはり技術の先という視点があるからなのでしょうか。

