身体の疲れがとれないのが続いているのなら鍼灸がお勧めです

 仕事や家事の忙しさだけではなく、加齢によって、若い頃と比べ、疲れがとれなくなってきたと感じたときには、鍼灸を受けることで身体がすっきりして、疲れが抜けてくることが多いです。

  1. 疲れの原因→慢性疲労症候群
  2. 疲れがとれないときの鍼灸
  3. 疲れが取れないときはどうするか
  4. まとめ

1.疲れの原因

 疲れの原因は一つではなく、複数が関係していることが多いので、自分の生活を見つめてみて、どういった生活習慣をしているのかを把握していきましょう。病気が原因の場合は、病気の状態によって変化していくので、医師に話を聞きながら生活習慣を変えていきましょう。

 疲労は日本疲労学会では「疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の顔貌を伴う身体の活動能力の減退状態である」と定義されています。

抗疲労臨床ガイドライン

 疲労は、痛みや発熱などのように、「身体がよくないから、これ以上動くとよくないよ」という身体からのサインになります。若い頃は、遊んで、食べて、寝れば疲れもすぐに抜けていることが多いですが、加齢とともに疲れが抜けにくくなって、何か、いつも疲れているなという状態になってしまうことがあります。

 仕事や家事でもうちょっと寝ていたいのに時間がなく起きて、日中はストレスを受け、夜にようやく一息ですが、明日のことを考えると、のんびりすることができずに、簡単に食事を済ませて、ちょっとゆっくりしたら、明日のことを考えて眠るという生活が続けば、きもちをリラックスさせることができないですよね。

 疲労は身体の疲れである「末梢性疲労」と頭の疲れである「中枢性疲労」があります。年を取ってからは、「末梢性疲労」もありますが、仕事や家事などの日々追われている精神的なストレスからくる「中枢性疲労」も多くなります。

 疲労を生じる原因としては、ストレス、睡眠、食生活、生活リズム、活性酸素と言われています。年と共に疲れが抜けにくくなっていくと感じる人も多いでしょうが、加齢による肉体の衰えも関係しますが、日々の生活リズム、食生活の影響が蓄積されていくことで、余計に疲れが抜けにくいと感じてしまいやすいです。

 疲労の原因に活性酸素がありますが、活性酸素は体内に入ってきた酸素の内で、約2%が活性酸素になると言われていて、殺菌力が強く、細菌やウイルスを撃退する役割があります。ところが、活性酸素が増えてしまうと、正常な細胞も攻撃してしまい、正常な細胞が壊されているという指令が脳にいき、疲労を感じてしまいます。

 身体には活性酸素から身体を守る防御システムがありますが、加齢によって防御システムが弱まってしまうことで、活性酸素による身体の酸化が生じていきます。疲れが抜けにくいだけではなく、風邪をひきやすくなった、肌荒れがしやすくなった、しみが目立つようになったというのが出てきた場合は、活性酸素を減らしていくのを心がけましょう。

 疲労感だけではなく、他の症状もある場合は、何か病気が隠れている可能性があるので、病院に行くことも考えましょう。あまりにも長期的に疲れが溜まっていて、日常生活にも影響を及ぼす場合は、慢性疲労症候群の可能性があります。

2.疲れが抜けないときの鍼灸

 「疲れ」というのは、現代医学的に考えると様々な影響があるものなので、原因を特定するのが難しいですし、改善しようとしても、生活リズム、食事、運動となるので、なかなか変えるのも難しいですよね。

 私自身は、若いときより疲れを感じやすくなっていますが、自分自身に鍼灸を行ったり、様々な健康法を行ったりしていくことで疲れに対処しています。自分でできないときには、鍼灸を人にやってもらってすっきりさせることも多いです。鍼灸を受けると身体がリラックスして、ポカポカと温まり、眠くなるので、受けた日はぐっすり眠り、次の日にすっきりしていきます。

 現代医学的には、疲労の原因をとらえ、変化させていくのは難しいですが、東洋医学であれば、「身体のもっている力が不足しているから回復させてあげる」、「余計な物がたまってしまっているから取り除きやすいようにさせてあげる」という考え方で施術を行うので、疲労の状態に限らず施術を行うことが可能で、継続していくと疲れにくい身体になっていきます。

 肉体的な疲労の場合は、鍼灸を行っていくことで、お風呂に長くはいったときのように、すっきりしているけど、眠くなることが多いのです。継続して施術を受けている人は、施術中は、のんびりと寝ていることもあります。考えることが多く、頭の疲労が抜けない場合は、頭の中にたまっているようなものが無くなるので、気分がすっきりして、ぐっすりと眠れ、楽になることが多いです。

 通常は、身体の効果、頭の効果が同時に現れるので、疲れたから鍼灸に通ってゆっくりしようと考える人が多いです。頭のすっきり感も取れてくるので、うつ病やパニック障害などの精神疾患の方も鍼灸を受けることがあります。

 マッサージなども疲れを抜けやすい身体にしていくという効果を狙っていくことができるのですが、町にあるマッサージ屋の多くはリラクゼーションを目的としていて、身体を変えるという目的ではないので、受けたときは気持ちがいいけど、すっきり感が持続しないことが多いです。ただし、リラクゼーションでも毎日受け続けていくと、効果が持続することがあります。

 私は、マッサージの細かい技術指導を行うために、週5日、1時間程度のマッサージを数か月受けたことがありますが、2か月程度経過して、ほどほど技術がついてきた当たりから、身体が大きく変化したのが分かりました。具体的には、運動やストレッチをしていないのに、身体の動きがよくなり、夜はすっきりと眠れ、排泄も大量に出て身体が軽く、すっきりしていました。

それまで、お腹が重いと感じたことがなかったのですが、継続して受けたことで、食事をするとお腹が重くなり、排泄がしっかり出ないと身体全体のすっきり感が生じないのだというのを実感しました。

 私自身が鍼灸を受けてから学校に通った訳ではないので、鍼灸などについては懐疑的な見方をしていましたが、施術の効果として実感したり、自分への効果と実感したりすることで、どうやって身体が変化していくのかが頭だけではなく、身体で理解していくことが出来ています。  病院にいくほどではないけど、疲れがぬけないし、身体が辛いと感じている場合は、マッサージ、鍼灸で通っているところがあれば、通っているところに相談していくと親身に相談に乗ってくれて、考えてくれるのではないでしょうか。

3.疲れが取れないときはどうするか

 疲れが取れない、どこにも通わないという場合は、自分で対処するしかないので、多くのサイトで書かれているように、ストレスコントロール、睡眠、運動、食事に注意していきましょう。

 ストレスコントロールは、仕事のストレス、家事のストレスなどをコントロールしようということですが、相手がいる場合はコントールするのは難しいですよね。ですから、自分にかかったストレスを上手く処理することが重要なので、何か楽しいことをする、何も考えずにのんびりする、運動など他のことをすることで、ストレスを感じないようにしていきましょう。

 睡眠はストレスによって悪くなることもあるので、睡眠だけをよくするのは難しいですが、ぬるま湯につかってのんびりして、ストレッチもよくしておくと、身体は眠りやすい状態になります。眠る直前だと、よけいに眠れなくなってしまうので、入浴もストレッチも眠る前の最低1時間前にできるようにしましょう。

 その時間がなかなか取れないという方もいるでしょうからその場合は運動、食事から注意していくことになります。

 肉体労働以外の人は、通常は、頭は一日働いていますが、身体は働いていない状態になります。これだと、身体の疲労と頭の疲労のバランスが悪くなってしまっているので、できれば積極的に運動を取り入れていきたいところです。

 運動する時間が取れないという方は多いでしょうが、ゆっくり行うスクワット、ゆっくり行う腕立て伏せは、10回程度でも筋肉をしっかり刺激していくので、短い時間で効率よく運動をしていくことができます。

 スクワットを生活に取り入れていく際には、椅子を置いて、椅子に腰かけるようにゆっくりと身体を降ろしていき、椅子に座る直前でゆっくりと立ち上がっていくようにして、しっかりとしてフォームを身につけるようにしましょう。

 間違った姿勢でスクワットをすると、効果が得られないばかりではなく、膝や腰を痛めてしまう原因になります。

 食事は、精をつくものを食べれば原気になるという話もありますが、一般的に言う、「精がつく食事」は消化に負担がかかるものが多いので、避けた方がいいです。野菜も栄養があっていいのですが、そのままだと消化するのが大変になるので、野菜や肉を入れたスープにしていくと、効率よく栄養を取ることができますよ。

 身体の機能の多くは、タンパク質が重要になってきますが、肉類だと消化に負担がかかるので、スープとして栄養を出していくのがおススメです。

4.まとめ

 疲労が続くと、不安になることも多いですし、サプリメントでも試して対処していこうと考えることが多いと思いますが、疲労が生じている原因を取らないといけないですし、疲労が取れるような身体を作っていかなければいけないので、まずは食事を見直して、運動を取り入れていくことで身体を変えていくことを考えていきましょう。

 現代医学的な病気がある場合は、しっかりと対処しなければいけないので、あまりにも疲労感が強い場合は、病院で診察を受けるようにしましょう。病院で診察をしても、特にすることがない場合は、食事、運動に気を付け、疲労を取れるような鍼灸、マッサージを利用していくのもいいですよ。