運動をしても痩せない理由

 体重を減らしたいと考えたときに、まず考えることは摂取カロリーを減らして、運動をすることですが、摂取カロリーを減らすのも、運動をするのも、単純に痩せるということにはつながらないです。

 人間の身体は単純なようで非常に合理的にできているので、摂取カロリーに対しても運動に対しても対応する力があります。

 ちょっと強引な説明になってしまいますが、例えば、2000kcalの基礎代謝の人が2000kcalを摂取していたとします。

 ダイエットとして1500kcalに食事を減らすとどうなるかといえば、摂取カロリーが少ないので少しは体重減少していきます。しかし、身体は摂取カロリーが少ない状態に対応するために、基礎代謝を下げていくことで、基礎代謝を1500kcalにしてしまいます。

 そうするとどうなるかといえば、せっかく食事制限をして摂取カロリーを減らしているのに、基礎代謝も自動調節されてしまっているので、痩せなくなってきます。

 摂取カロリーを減らした状態を長く続けていくのが辛くなるので、ダイエットをやめて摂取カロリーを2000kcalに戻すと、基礎代謝が1500kcalまで下がっているので、最初の状態であれば適切だったはずなのに、500kcalが余分な栄養となってしまい、リバウンドさせてしまいます。

 身体は本当によくできていますが、痩せたいという人が増えてきている現代社会では困ったメカニズムになりますね。

 では運動をするとどうなるかというと、基礎代謝が2000kcalだったとして、300kcalの運動をすると、運動でカロリーが消費していくので、少し痩せていきます。

 しかし、身体はまたここで自動調節機能を働かせるので、300kcalの運動が習慣化すると基礎代謝が1700kcalというように身体には運動や食事に対して調節する働きがあります。

 このため、運動をして最初は痩せてきたけど、だんだんと痩せなくなってきたというのは、運動によってカロリーが消費されていますが、基礎代謝が落ちてしまっているので、痩せにくくなっていきます。

 ただ、運動をするようになると、胃腸の働きも活発になるので、単純に食欲があがり、食事量も増えることが多いので、実際には大きく下がることはない場合もあります。

 運動をしなければ、余分なエネルギーは身体の炎症や脂肪に変わってしまうので、やっぱり運動をして余分なエネルギーを減らすことは大切になります。

 摂取カロリーの調整もしないといけないですが、世の中にある美味しい物(お菓子なども含む)って、満腹感を感じにくくて、多く食べれるようにしてあるので、なかなかやっかいなところなので、できるだけ、自然な果物、魚、肉、ジャガイモといったような精製されていない物の方がいいです。

 今回の内容は参考にした書籍があります。

『運動しても痩せないのはなぜか:代謝の最新科学が示す「それでも運動すべき理由」』