グルテンフリーって本当にいいの?

 健康情報を眺めていると「グルテンフリー」を目にする機会ってありませんか?

 私は、健康のお手伝いをする側ですし、加齢によって関節に痛みがでたり、お腹が張り続けたり、飛蚊症がひどくなったり、めまいがしたり、副鼻腔炎を何度もしたり、不調がいっぱいでてきて対処してきました。40代から子ども、病気の話題が増えると言いますが、血液データが悪くなる人もいるでしょうから、飲み会の最初の話題は「子ども」か「健康か」になりやすいでしょうね。

 自分自身で鍼灸をすることも多いですが、食事療法もどうなのかと思って、断食をしたこともあります。断食自体は、完全断食までいかずに、3日かけて食事量を落として、1~2日の間はスープ、水だけで過ごして戻していったことがあります。お腹が空くのも空くのですが、当時はあまり空腹を感じていなかったですし、年齢も若かったので、あまり分からなかったですね。

 最近は、身体にいろいろな問題が出てきたので、食事を大きく変えてみるかと思い、グルテンフリーを実施しました。

 グルテンは、小麦に含まれているたんぱく質で、「消化に悪い」と言われています。現在の小麦は、品種改良をしているので、グルテンが非常に多いものになっていると言われています。グルテンは、麺などのもちもちした触感と関係しています。小麦食品は、

  • パン
  • パスタ
  • うどん
  • ラーメン
  • 餃子や中華まんの皮
  • お好み焼きやたこ焼き
  • ピザ
  • シリアル
  • カレーやシチューのルー
  • ケーキなどのお菓子
  • ビール

 全部美味しいものですね。朝はパンを食べて、昼にパスタかラーメン、夜にカレー、ビールと餃子、おやつにケーキ。一日の食事で小麦食品をパーフェクトにすることができますし、普通の食事に近いですね。グルテンフリーという小麦除去を完全に行うのは困難です。

 グルテンフリーというの有名になったのは、「ジョコビッチ選手」です。グルテンが問題になりやすいのは、セリアック病やグルテン不耐症の人で、ジョコビッチ選手はセリアック病でした。グルテンを含む食事をしない「グルテンフリー」に変えたら、慢性的な腹痛が消え、プレーに集中でき、身体だけではなく、精神的にも充実するようになったという話です。実家がピザとクレープのレストランで育ったのに、テニスで結果を出していたのも驚きですが、「グルテンフリー」にしたら、絶対的な王者になったというのが凄いですね。

 「グルテン」は、十割以外の蕎麦にも含まれていますし、醤油、味噌などの調味料にも含まれているので、完全な「グルテンフリー」を行うのは、かなり難しいです。

 ということで、私自身が行ったのは、小麦を主体とする食品を食べないようにするということで、上記に出てきた食品をまずは食べないことにしてみました。

 朝は、おにぎり、昼はお弁当などでご飯を中心にし、夜もご飯を主体にした食生活に変えてみました。2週間程度で変わるということでしたが、私自身は他にも同時進行もしていたので、「グルテン」を除いた効果とは断定しにくいですが、鼻症状が軽減し、お腹の張りも軽減し、身体が少し軽く感じるようになりました。白米で炭水化物を取っていたのも、少し減らし気味にしていまいた。

 ただ、ビールは好きなので、ちょこちょこと飲んでいましたし、飲み過ぎれば、身体が重いし、だるくなるので、飲んだ次の日は、やっぱりだるかったですね。

 いろいろな症状が出ていて、体調不良に悩んでいるのであれば、「グルテンフリー」の食生活をしてみると、自分が食べている食生活を一回見直すことができるので、「グルテンフリー」をするというよりも、「グルテンフリー」をしてみることで、食生活の見直しをするのはいいのではないでしょうか。

 もし、小麦が全ての人の健康を奪うのであれば、うどんを食べる四国の人、お好み焼き・たこ焼きを良く食べる関西の人はみんな体調不良になってますよね?

 ということで、数字は正義なのでデータを見てみます。

医療費(都道府県別データランキング)」から引用改変(2013年度)

 

 医療費で見てみると、高知県が一番ですが、やっぱり「うどん」で「小麦」だからですかね。福岡は「博多ラーメン」、北海道は「小麦の産地」だからと一つ一つやっていく必要はないですね。医療費と県別でみると高知と埼玉だと大きな違いがありますが、食事以外の要因の方が大きいような気がします。

 2017年の一人当たりの医療費は全国平均で56万4527円なので、利用した表が2013年から比べると大きく上昇しています。医療費の地域差は、単純な比較では「西高東低」の傾向があり、西日本の方が医療費が高く、東日本の方が医療費が低くなっています。

 厚労省によると、医療費の地域差は「入院費の差」としていて、「病床数」と関係があります。特に注目なのは、「療養病床」や「精神病床」などの長期入院になりやすい病床が多いということですね。

 ということは、小麦と健康はあまり関係はなさそうですが、「グルテンフリー」をしてみて調子がよくなるのであれば、続けるのが身体に合っているでしょうし、好きな物を無理してやめて、精神的にイライラしない方が健康ではないでしょうか。

 現在の私は、「グルテンフリー」をしている訳ではありませんが、「白米」か「小麦」で悩んだら「白米」を選択し、「炭水化物」か「たんぱく質」で悩んだら「たんぱく質」を選択するようにしているので、食事を考えるときには以下の順番で重要さを決めています。

たんぱく質・野菜 > 白米 > 小麦

 ここまで書いて、何が言いたいかというと、健康や身体に問題があるのであれば、食生活はしっかりと見直しをすることを勧めていますし、その一つとして「グルテンフリー」はいいと思っています。健康は拘れば拘るほど、終わりがないですし、食事、運動、休養もやり続けたらきりがないので、自分の身体や生活、趣味で折り合いをつけていくのがいいのではないでしょうか。

 当院に通って頂いている方には、朝食などの食事だけではなく、間食も何をいつ食べているのかを伺っておりますが、身体は食べた物で作られているので、無意識に食べている生活習慣が身体に影響しているところがあるからですね。

 東洋医学的に考えても、バランスが重要なので、コロナで外食する機会も減ったところで、本当は食生活の見直しをしてもらいたいですね。