個人輸入した物は健康被害に注意をした方がいいです

 個人で現地で買ってきた物、海外の物をネットで買ったものは、個人輸入になりますが、現地の感染症が関わる場合もありますし、予期せぬ健康被害も出るので注意が必要です。

 健康食品、化粧品など個人輸入物に関わる健康被害は過去にも出ているので、「これがいいよ」という話には注意をしないといけないことが多いです。

 ネットをいろいろと見ていて、インドから持ち帰ったアロマセラピースプレーで、感染症が発生したという論文もありました。

 備忘録として、リンクを出しておきます。

Multistate Outbreak of Melioidosis Associated with Imported Aromatherapy Spray

 この感染症は「メリオイドーシス(類鼻疽:るいびそ)」というものです。

 メリオイドーシスは類鼻疽という名前で、4類感染症に指定されています。感染症の分類はコロナで大分、有名になりました。

 感染症の分類は、1~5類となっていて(2022年現在)、1が一番危険になります。

 類鼻疽の4類は1~3類以外で、健康に影響を与えるものになります。1~3は罹患した場合の重症度での分類なので、重症度としてはましだけど、かなり注意をしないといけないものと言えます。

 東南アジア、北部オーストラリア、パプアニューギニア、インド亜大陸の大部分、中国南部、香港、台湾、タイ北東部、マレーシア、シンガポールで発生していて、タイ北東部、シンガポール、オーストラリア北部では高頻度で発生しやすいと考えられています。

 無症状感染も多いとされていますが、糖尿病などの基礎疾患があると、死亡にまで至る可能性があるものです。日本では発生はほとんどありませんが、個人輸入も簡単に行えるようになっているので、注意しないといけない疾患です。

 類鼻疽は、細菌によって引き起こされるため、土壌や水に関係しやすいため、雨期で流行しやすい傾向があります。

 潜伏期間が通常は1~21日ですが、数か月から数年に及ぶこともあります。

 発症すると数時間で重篤になることもあり、多くの場合は肺炎が発生します。適切な治療を行わないと、発症48時間での致死率は90%以上なので、危険な疾患ですが、糖尿病、腎機能不全、慢性肺疾患、免疫不全の基礎疾患がある場合になります。

 予防するワクチンがないので、通常は旅行中に土壌や水に注意をするということになっていきますが、海外から接種するものに含まれている場合もあるので、注意をしないといけないです。

 通常ルートで日本に入ってくるものは、様々な検査を経ているので、問題にならないことが多いですが、個人が購入したもの、ネットで海外から買うものは、検査を通過しないので、危険性も高くなりやすいです。

 サプリだと、「海外産がいいよ」と勧められることもあるので、ご自身でしっかりと判断していく必要があります。