チャイナ・スタディ
チャイナ・スタディはコリン・キャンベル博士が研究結果について書かれているものです。書籍名だと『葬られた「第二のマクガバン報告」』「動物性タンパク神話」の崩壊とチャイナ・プロジェクトになるので、長いですね。
中国農村部の疫学調査(食習慣・栄養)のデータと、欧米などのデータを見比べるとことで分かったことについて書かれていますが、要約してしまうと、
動物性たんぱく質はガンを促進
植物性食品はガンを抑制
ということです。
マクガバンレポートは、1970年代にアメリカでは心臓病が多く、医療費が増大していたために、どうにかしないといけないということで、7年の歳月とお金をかけて出されたものです。
このマクガバンレポートでは「心臓病をはじめとする諸々の慢性病は肉食中心の誤った食生活がもたらした食原病であり、薬で治らない」と結論づけています。
対処方としては、高カロリー、高脂肪の食品、肉、乳製品、卵などの動物性食品を減らし、できるだけ精製しない穀物や野菜、果物を多く摂るという内容です。
たんぱく質の摂取量が増えると、乳がん、子宮内膜がん、前立腺がん、結腸・直腸がん、すい臓がん、胃がんなどの発生確率が高まる可能性があるという話があります。
マクガバンレポートでは、「理想的な食事は、元禄時代以前の日本の食事」という話もあり、具体的には、精製しない穀類を主食とし、季節の野菜、海藻、小さいな魚介類になります。
現在の我々からすると、ちょっと物足らない食事にですよね。
ちなみによくある日本食という「ご飯、漬物、みそ汁、魚、小鉢」は、江戸時代の食事でもなく、高度経済成長の頃の食事なので昭和後期なので、最近の話です。伝統的な日本食は、無いと言えますし、もしあるとするならば、大量の穀物(米や雑穀)で栄養の大半を摂取して、少しの野菜、海藻、魚介類になります。
実際の江戸時代で、江戸の食事は「白米5合を3食に分け」「朝にみそ汁や漬物程度」で本当にちょっとのおかずで大量のご飯を食べています。
マクガバンは当時の上院議員の名前ですが、このレポートは黙殺されたとされています。
このチャイナ・スタディでは、マクガバンレポートの後に行われた調査になります。膨大な中国のデータとアメリカのデータを比べることで、「たんぱく質が発がん物質」と結論づけることになります。
たんぱく質は身体に取って非常に大切なものですが、余剰になったたんぱく質は、成長していったがんの栄養になってしまうという話です。
ただ、たんぱく質でも動物性たんぱく質がいけないということで、植物性食品の摂取を勧めています。
コリン・キャンベル博士は、乳製品含む動物性たんぱく質は発がん作用があるので、PBWFの食事法を勧めています。
PBWFは、プラントベースホールフードの略語です。プラントペースというのは植物由来の食品ということで、ホールフードは全体という意味なので精製しないことです。
例えば、米であれば、植物性なのでプラントベースで、玄米から精製しなければ、全体を摂取することができるので、玄米はPBWFと言えます。
なんだか、ベジタリアンやヴィーガンと同じに感じますが、ヴィーガンは、プラントベース食品のみをたべ、はちみつも食べません(はちみつはプラントベースの考え方ではOK)。さらに、ヴィーガンは環境保護・動物保護が本質なので、動物性のものを身に着けません。
ベジタリアンの場合は、いくつかの種類があるので、乳製品や卵、肉などを食べるタイプもあるので、違いがあります。
食事は、1日3回、間食も合わせれば、それ以上の回数になるので、非常にいろいろなやり方や考え方があり、個人の生き方にも関わってくることが多いです。
何が絶対なのかというのはもちろん分かりませんが、PBWFを中心にしながら、肉類も楽しむというのがいい方法なのでしょうか。この場合は、主菜といっても、動物性たんぱく質は減らすというぐらいでもよさそうですね。
現在の食事療法でもタンパク質の重要性は言われていますが、タンパク質は「大豆」「魚」から摂取するのがいいと言われているので、健康法はいろいろなデータをもとに変化をしています。正しいと思う食事は、気づいたらよくない食事になることが多いので、気を付けたいところですね。