国宝のレビュー・感想

 「国宝」という映画が上映していることなんて全く知りませんでした。

 たまたまテレビか何かで、国宝の動員数がすごいというのを見て、ふと画面?を見て、最初に思ったのは「綺麗だな」です。

 邦画、日本のドラマはいつから見ていないのか分からないぐらい見ていないです。どうしてかと言えば、もう数十年前に見て、あまりにも演技が大げさだし、そういうものなのかもしれないですが、「学芸会」に近いようにしか見えなくなり、見なくなりました。

 そんな中でもさすがに戦争映画は演技が派手ではないので見ることもまれにありましたが、それでもいつしか「邦画・日本ドラマ」を避けるようになっていました。

 しかし、「国宝」のその映像を見て、そのまま画面を見続けていました。そして、「見たいかも」という気持ちが湧いてきました。一度、気になると、いろいろなところで出てくる「国宝」という情報が気になるようになり、「見たい」という気持ちに変わりました。

 もともと、日本の邦画・ドラマは全く見ていないので、誰が出ているとか、どういう内容なのかは全く興味はなく、ただただ「綺麗」な「映像作品」として完成していそうで「映画だ」というところが注目ポイントでしね。と言っても、誰がとかは調べてみても全く分からないので、調べる意味もないので調べなかったのもありますけどね。

 これだけ有名になってくると患者さんも多くの人が知っているし、見てもいるので、やっぱり映画館で見た方がいいという話を伺ってはいましたが、「3時間」なのですよね。サブスクを利用するようになって、長い映画は家でダラダラと飲みながら、食べながら、のんびり見るのが普通なので、3時間は悩みましたね。おそらく大丈夫でも、トイレに行きたくなりそうだし、つまらなかったら辛すぎるしと考えますよね。

 こういったことはご縁でもありますが、たまたまいろいろな用事などが一気にキャンセルになり、ふと見たら行けそうなので、細かいことを考えても仕方がないので、映画館に行ってみました。

 映画がスタートしてから、作品としての映像が綺麗で、この時点で来てよかったと思いました。さらに驚いたのが、最初から歌舞伎の声・演技を見て、「これは役者?」それとも「歌舞伎の人?」が分からなかったです。単純に俳優が分からな過ぎるからですが、あの声って演技で練習して出せるのが驚きでしたよ。映画の中でも、一つを身に着けるためにどれだけの練習をするのか、「声」に感情を乗せるためにどれだけの努力を乗せるのかは、同じ技術者として本当に衝撃でしたね。

 ただ、現実世界には、そういった技術の研鑽を超える人もいるので、抜かれるというのも現実的すぎて、芸能や技術などの世界の難しさもよく出ていた気がします。途中のいわゆるラブシーンはいろいろな要素を詰め込みたかったのでしょうが、作品自体の完成が綺麗すぎて、入れなかった方がすごい綺麗さが出てよかったような気がしました。所謂、映画好きな玄人は好きでしょうが、玄人好みの趣味が入った感じですかね。

 歌舞伎ではやはり血縁というのが重視するのも、同じ技術者として考えると、その派閥というのも理解できるので、その派閥の難しさも表現として理解できましたね。結局、血や流れが重視されるというのも技術という視点から見ると負けてしまう虚しさもよく出ていましたね。

 映像の綺麗さ、作品としての上品さがあるのはよかったのですが、ちょっと邪魔をしてしまったシーン、最後は駆け足、そんな都合がよい子供の登場ってある?という現実に引き戻されて覚めてしまうことはありましたが、非常に没入できる美しさがありますね。

 やっぱり圧巻は舞台から客席を眺めるシーンは映画館でしが臨場感を味わえないのではないでしょうか。ただ3時間はやっぱり長いし、途中で休憩か、2作にしてもらいたいですよね。あとは、邦画を見慣れていないので、同じような顔に見えて、途中で誰が誰だか分からなくなったところですかね。

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