小児の鍼:こどもに行う鍼治療

 鍼灸の施術では子どもに対するやり方というのもあり、通常は「小児鍼(しょうにしん)」と呼ばれています。

 子どもは非常に敏感で変化する力も強いので、成人と違って、少ない刺激量で身体の状態が変化していくことが多いので、小児鍼では

  • 接触(タッチング)
  • 叩打(タッピング)
  • 押圧
  • 軽擦(なでる)
  • 軽く引っ掻く

というやり方を使うので、大人に使うような「刺す」はあまり使わない傾向があります。そのため、小児鍼と言っても、刺す鍼はほとんど使わない傾向が多く、皮膚をこするようなやり方をしていくことがほとんどになります。

 いろいろな小児鍼を利用することがありますが、代表的なのは以下のようなローラー鍼になります。

 ローラー鍼は、弱刺激と強刺激がありますが、人によって好みの違いがあるので、心地よいと感じる方を使うことが多いです。子どもであれば、弱刺激でもよいですが、強刺激の方が気持ちよいと感じる場合もあります。

 小児鍼では全身をこする刺激をすることが多いので、代表的なのは背中、前腕、下腿、頚部、頭部をこのローラーでコロコロしていくことになります。どれぐらい行っていくかも重要ですが、基本的には、肌が発赤する程度まで行うことになります。

 刺激量をしっかりと判定していくためには、ローラーを持っていない方の手で肌を触ってみて、ローラーで何度かコロコロした後に肌を触れていくと、ざらざらだったのが、さらさらしてくる感じになることも多いので、最初の段階では少し変化したら終わりにして、毎日様子を見ながら行っていくことができます。

 家庭で行う場合は、日々、行うことができるので、だんだんと刺激量(時間・回数・場所・範囲)を広げていくことができます。私自身は、自分の子どもに行ったときはテレビを見ながらやったりしていたので、本来は数分といいますが、数十分行ったことも多いです。心地よいと感じることも多いので、やりながらうとうとしていることもありました。

 慣れてくれば、肌の色、顔色を見ていくことでも変化が分かります。

 非常に単純なものですが、子どもは治る力も強いので、体調も変わっていきます。そのため、小児鍼では夜尿症、夜泣き、疳の虫に対して行っていくのもこちらのやり方であり、夜尿症だったら、仙骨付近を多くすることになるので、症状や状態に合わせて、刺激量や場所を調整していきます。

 夜泣きや眠らないという相談から治療をすることもありますが、保育園などに通っていると、昼寝もあって、そこで体力が回復している場合もあるので、なかなか夜に眠らないというケースもあります。これは、体力もついてよいことではあるのですが、夜の睡眠時間が短くなっては、生活リズムが崩れてしまうので、よくないケースになってしまうこともあります。

 こういうケースだと、体力を消耗される方がいい場合もあり、遊ばせるのもいいのですけど、その時間が取れないから、体力が余ってしまってなかなか、眠れないという状況も多いです。

 大人でもそうですが、気持ちよい刺激、気持ちよい程度の入浴は、入眠を促すことにも繋がるので、心地よいという刺激として小児鍼を行っていくと変化がみられる場合もあります。または、温かいお灸もいいのですが、お灸は火傷をしてしまうリスクもありますし、なかなか目が離せないのでやるのが難しいところでもあります。

 枇杷の葉を使った温灸法を子どもの体調不良に使っているという方にお会いしたことがありますが、この枇杷の葉を使ったやり方は確かに心地よいのですが、火傷をしてしまうリスクも当然あるので、なかなか難しいところです。

 枇杷の葉を肌にあて、紙と布を枇杷の葉の上におき、棒灸を押し当てるというやり方になります。

 棒灸のやり方では身体に近づけて温かさを伝えるというやり方が一般的ですが、こういった押し当てるやり方も行われることがあり、ネパール棒灸も似たようなやり方になります。

 私自身は棒灸を使った施術はしていないので、これらの道具ややり方は使っていないです。

 大先輩の鍼灸師の方からは子どもができたという報告をしたら、小さいうちから指先(井穴に該当)を揉んであげると、全身の流れがよくなるから、毎日少しずつやってあげた方がいいという話も伺ったので、小さいときは抱っこをしながら井穴を揉んだり、背中を軽くさすってマッサージしたり、仰向けで軽擦のようにマッサージをしたりしていましたね。

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